第七話:たけちゃんの場合。

初めて投稿します。
埼玉県人の通称 "たけちゃん"といいます。
僕は小学校5年生の頃より釣りにはまり、"くちぼそ"から海釣りを経由して、今では バスフィッシングで頭が一杯の毎日。
釣りバカ度に関しては、王様=村田基さんにも負けていないと思います。

どれくらい馬鹿かといいますと、日曜日は勿論、毎年夏休み8日間のうち6日を釣り旅行に費やしてしまうほど。
しかも一人で!! (僕の周りには同じ馬鹿がいないんですよねぇ。)
だから28歳にして未だに恋人もいません!!
そんなバスフィールドで僕の一番のお気に入りはやっぱり "野尻湖"。

澄んだ水とそれを取り囲む緑の木々は、仕事で疲れ果てた僕の心身を癒してくれる、 そんな場所です。

俗世間から隔離されたこの湖上、バスボート "ハイドロ"のデッキに立つと [ボーズ でもいいや] なんて気に一瞬だけなります。

スモールマウスバス (和名コクチバス)のうわさだけを耳に初めて車を走らせたのは 2年前の9月でした。

河口湖のノリで3inのストレートワームをスプリットでシェイクすること8時間。
釣れない...。
根が頑固なものだから、シェイクしていれば絶対釣れると、頭からその考えが離れな かったのです。
...8時間も。 (←この辺も馬鹿の一つ)

もっとゆっくりではどうか?
と試しの一投目。
30cm弱のスモールマウスが僕のロッド (BASS ONE \6000位)をしならせる!!

最後まであきらめないファイト。
あの小さな魚体からは考えられない力強さに大興奮しました。
[これで40cmを超えたらどうなるのだろうか]
と、否応にも体に力が入る。
そしてロッドアクションは8時間前に逆戻り.....

その夜、残り3日の釣り方について、一人さびしい釣り会議。
結論は "ロッドを動かすな。一つのキャストに最低3分"を心がけることでした。

2日目朝、野尻湖畔で僕を迎えたのはその年の台風7号の強風だった。
雨は降っていなかったのでとりあえずボートを出したのですが、わずか30分でリタ イヤ。
釣り旅行3日目を、ぶち壊したのはほぼ同時にやってきた台風9号...。
ついていない...。

"ナウマン象博物館"を15分見てその日は終わってしまいました。
その日の夜、枕は涙で濡れてました。

そして最終日のこと。
台風は去ったものの強風は湖上で荒れ狂う。
初日に立てた作戦も強風とともに何処へやら。
気が付けば午後、トップウォーターを風裏で投げまくっていました。

しかもやけになっていたものだから、その動きもどこかいびつ
釣れるわけがない...
するとそのトップに、しかも2連続で飛びついてくるスモールマウスちゃん。
(サイズは30cm前半)
「これに懲りずにまた来てね。」と言っているように、都合よく解釈。
これを最後に初めての野尻湖は幕を下ろすこととなった。

確かに一瞬嫌いになりかけたこの野尻湖。

あの2匹がいなかったら今の僕は存在していないかもしれない。
それほどにうれしい釣果だった。
その日から、スモールマウスとともに野尻湖の研究を重ね、2年経った今では40cm オーバーを手にする事が出来るようになりました。
僕は一生忘れないでしょう。
あの日最後につれたスモールちゃんA(仮名)とスモールちゃんB(仮名)。

そして1998年台風7号と9号の事を...



あーーーー、分かる!
この気持ち、つくづくわかる釣れない君なのだ。
特に、>>そしてロッドアクションは8時間前に逆戻り.....の部分、分かり過ぎるくらいに分かる...(分かっちゃいけないような気が...)

それにそれに、ついていない時はメチャクチャついていないと言わんばかりの連続台風襲撃事件...
たけちゃんったら、立派な釣れない君ですね!!


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